マウスピース矯正「インビザライン」
インビザラインとは、アメリカのアライン・テクノロジー社が開発した、歯列矯正治療のひとつで、透明で目立たないマウスピース型カスタムメイド矯正装置です。
1999年にアメリカで販売され、現在では世界100カ国以上で使用されている、実績のある矯正装置です。
また、インビザラインには軽度の矯正から部分矯正などいくつかの種類もあり、幅広い症例に対応が可能となっています。
インビザラインはこんな方におすすめです
目立たない装置で歯並びを改善したい
インビザラインは、透明で薄いつくりのため目立ちません。
装着していることが周りの人から気づかれにくく、日常生活でも口元を気にせず快適にご使用頂けます。
食事をおいしく、装置を気にせず楽しみたい方
インビザラインは食事の際はマウスピースを取り外します。そのため、食べ物が矯正装置にひっかかる、詰まるなどの心配はありません。
金属アレルギーの方、金属アレルギーが心配な方
インビザラインはプラスチック製なので、金属アレルギーの心配もなく安心してご使用頂けます。
痛み、違和感なく矯正治療を行いたい
インビザラインは、効率良く歯が動かせるようにシミュレーションをし、マウスピース装置を作ります。最小限の痛みで無駄なく、歯の動きをコントロールすることができます。
口腔内の清潔を保ちたい方
インビザラインでは、2週間ごとに、変化させた装置に交換しながら歯を動かしていきます。
取り外し式なので、毎日のお手入れも簡単で、お口の中をいつも清潔に保つことができます。
毎日の歯磨きをストレスなく行いたい方
ワイヤー矯正の場合、磨を磨きにくいというデメリットがあります。
インビザラインでは、装置の取り外しが簡単なため、歯磨きもこれまで通り行うことができます。
インビザラインの4つのメリット
インビザラインの矯正は、目立ちにくいだけではなく、いくつものメリットがあります。
1・取り外しができ、清潔さが保てる
ワイヤー矯正では、歯磨きをしづらいのが難点でしたが、インビザラインは、取り外し式なので、歯磨きも通常通り行うことができ、虫歯や歯周病も予防ができます。
2・装着中も目立ちにくい
ワイヤー矯正では、金属の装置が歯の表面に装着されるため口を開けた時に目立ってしまうというデメリットがあります。インビザラインの場合は、透明で薄い作りのマウスピースで、気づかれにくく、接客のお仕事やプライベートでも口元を気にせず装着することができます。
3・診療回数・時間が比較的少ない
ワイヤー矯正は、一般的には月に一回の通院が必要ですが、インビザラインは1〜2ヶ月に一回程度の通院です。忙しくて頻繁に通院できないとう方にもおすすめです。
4・痛みや口内炎などのお口のトラブルが少ない
ワイヤー矯正では、歯の表面に装着した凸凹のブラケットによってお口の粘膜が傷つけられ口内炎などのトラブルがよくあります。インビザラインのマウスピースでは、凸凹もなく、薄く軽い作りでお口のトラブルが少ないです。
インビザラインの4つのデメリット
一般的なワイヤー矯正に比べるとメリットの多いインビザラインですが、デメリットもいくつかあります。
1・症例によっては治療できない場合がある
インビザラインは、歯を大きく動かすというよりも細かく動かしていきます。
そのため、歯が少ない、悪すぎる歯並び、抜歯を伴う必要がある場合や、症例によっては治療ができないことがあります。
また、重度の上下顎前突は、外科手術が必要となることが多く、こちらもインビザラインでの治療が困難なことがあります。
また、インプラントが複数ある場合、インプラントは人工の歯根を埋め込んでおり動かすことができないため、インビザラインでの治療はできません。
2・飲食時には外さなければならない
インビザラインは、お水以外の飲食時に外す必要があります。
食べ物を噛む事で、マウスピースを傷つける可能性があります。また、水以外の飲み物はマウスピースに着色することがあります。
飲食後は、マウスピースを装着する前に必ず歯磨きを行なって下さい。
3・装着時間・方法を守らなければ効果が出にくい
インビザラインは、ご自身で簡単にマウスピースを取り外すことができます。
ただし、マウスピースは一日20時間以上装着する必要があります。
長時間の装着を怠ってしまうと、マウスピースがはまらなくなったり、治療期間が延びてしまい、追加費用がかかってしまうことがあります。
4・マウスピースの管理は自己責任
インビザラインは、簡単にマウスピースを取り外しができますが、外した時はきちんと専用ケースに保存をして下さい。少しの間だからと、そのままの状態で置いておくと、破損や紛失をしてしまうこともあります。
外す時はきちんと専用ケースに入れるように習慣付けておきましょう。
また、今使用しているのが何番目のマウスピースなのか分からなくなることもあるため、目ウスピースを交換する曜日を決めておくと安心です。
新しく交換したマウスピースを紛失したり、違和感がある場合などは、交換した以前のマウスピースを使用する場合があるので、保管しておきましょう。
インビザラインの失敗例
インビザラインは、痛みも少なく通院も少ないというメリットがありますが、しかし、失敗をする可能性もある事を覚えておいて下さい。
失敗例1・歯根が露出した
歯は、顎の骨に埋まっています。しかし、矯正で無理な力をかけてしまうことで歯茎が下がり、歯根部が露出してきます。
歯根が露出すると、歯と歯の間にブラックトライアングルという隙間ができてしまうリスクもあり、そうなると、その治療も必要となる場合があります。
このような失敗が起きる原因として、歯を支える歯槽骨がなかったり、適切ではない治療計画が考えられます。
失敗例2・歯列の悪さが悪化した
歯科矯正治療は、歯並びや噛み合わせを良くする治療ですが、八重歯や出っ歯など、綺麗に矯正されたけど、口の中心が合わず、かえって歯列が悪く見えるという失敗例が多く見られます。
矯正治療が終わるまで気づかないというパターンがよくあります。
失敗例3・噛み合わせが悪化した
歯科矯正治療では、不正咬合を正して口腔機能を改善させることが治療目的のひとつでもあります。
しかし、治療計画やマウスピースに問題があった場合に、審美性は改善されても、肝心の不正咬合が治らず、かえって悪化してしまうということがあります。
失敗例4・虫歯・歯周病になった
インビザライン矯正を始めてから、虫歯や歯周病になってしまうこともあります。
・マウスピースの長時間着用
・マウスピースの衛生管理不足
・マウスピースを外さずに食事
・歯磨きなどのケア不足
など、口腔内の不衛生な状態が要因となっていることがあります。
虫歯や歯周病になってしまったら、そちらの治療を優先的に行うため、矯正期間が予定よりも延びてしまうことになります。虫歯治療に時間がかかりすぎて、マウスピースが合わなくなることもあり、その場合にはまた型取りをして作り直しということにもなりかねません。
また、矯正歯科では、虫歯などの一般歯科治療に対応していないクリニックもあるため、虫歯治療のために、他の一般歯科へ通院する必要があります。
失敗例5・歯を削りすぎて治療に時間がかかった
インビザラインでは、歯が動くスペースを確保するために、歯と歯の間をヤスリで削る方法(IPR)があります。
しかし、削りすぎてしまい、必要以上に隙間があいてしまった場合には、歯の移動距離も増えて、予定よりも治療に時間がかかってしまったり、マウスピースの枚数を増やす必要がある場合があります。
失敗例6・歯列矯正の効果が薄かった
歯列矯正の効果が薄い要因として、
・保定装置をしっかりと装着しなかったため、後戻りした
・順番通りにマウスピースを装着しなかった
・全てのマウスピースを使用しなかった
・一日20時間以上装着していなかった
・矯正治療の途中で虫歯や歯周病になってしまった
などが、考えられます。
効果が薄いと感じる原因には、患者様自身にも問題があるということです。
きちんとルールや期間を守る事で、矯正治療はスムーズに進み、効果があらわれてくれます。
インビザラインを後悔しないための5つの対策
インビザラインは、治療前・治療中・治療後の対策が重要です。
1・【治療前】経験豊富な歯科医師の治療を受ける
インビザラインの治療は、実績や経験豊富な歯科医師により大きく左右されます。
シミュレーション通りに進まない、虫歯や歯周病などが悪化したてしまったなど、治療中のトラブルなどへの対処や、症例の見極め、治療方法など歯科医師の経験が重要となります。
カウンセリングや、ホームページなどで経験や実績などを参考にしてみましょう。
2・【治療中】治療中のルールを守る
インビザラインは、マウスピースを順番通りに一日20時間の装着が推奨されています。
マウスピースは透明で薄く、周りの人にも気づかれにくいので、日常生活において違和感なく装着して頂けます。装着時間を守ることで治療効果は発揮されます。
3・【治療中】口腔衛生状態を良好に
取り外しのできるマウスピースは、これまで通りに歯磨きをすることができます。
きちんと口腔ケアを行い、虫歯や歯周病にならないように予防をしましょう。
また、つけ外しのするマウスピースは、毎日きちんと洗浄や消毒を行い、清潔に保つことが大切です。熱湯をかけると変形するため注意をして下さい。
4・【治療中】治療中の違和感を我慢しない
マウスピースを交換してから数日感は、違和感や痛みがあることがあります。
また、治療期間中に、虫歯や違和感、歯肉が腫れるなどのトラブルが起こることがあります。
虫歯や歯周病などの治療を優先することになると、矯正治療を中断することになると、予定していた治療期間が長くなってしまうことがあります。
治療期間中にお口の中に違和感がある場合には、すぐに相談して下さい。
5・【治療後】治療後の保定は必ず行う
歯列が綺麗に並び、矯正治療が終わったら、後戻りをしないための保定が必要です。
矯正治療では、マウスピースによって歯に弱い力を加えて歯を動かしていきます。
理想の位置に並んだ歯は、まわりの組織によってまた元の位置に戻ろうとします。これを後戻りといいます。
この後戻りを防ぐために保定装置(リテーナー)を付けて、今の位置を記憶させます。
保定期間は、必ず歯科医師の指示に従って下さい。
よくある質問
Q . 現在50歳を超えていますが、インビザライン治療は可能でしょうか?
A. 可能です。インビザライン治療は、年齢制限はありません。
ただ、若い方に比べると、少し時間はかかる傾向にあります。
また、ブリッジやインプラントなどは固定されているため動かすことができません。その場合は、他の治療と併用して行う場合があります。
Q・インビザラインによる矯正は何歳からできますか?
第2大臼歯が生えていれば、治療が可能です。
中学生ごろの成長期は、骨を作る細胞の活性化が高いため、この時期に始めるとよいでしょう。インビザラインで歯列の拡大を行い、顎の成長や歯の萌出が終了したら、再度型取りをして、歯列を整えることができます。
Q・インビザラインを使用した矯正治療は痛みがありますか?
新しいマウスピースに交換した際は、まだ慣れないため違和感や痛みが生じることがあります。痛みには個人差がありますが、歯科矯正が初めての方は、しめつけられる感じで痛みを感じる方が多いですが、数日で慣れてきます。
ワイヤー矯正を経験されたことがある方は、インビザラインの快適さを実感されています。
インビザラインで、痛みが少ないのは、少しずつ弱い力で歯を動かしているからです。
また、移動中の上下の歯がマウスピースがあることで直接ぶつかり合うことがないため、咬んだときの痛みも緩和されます。
一般的なワイヤー矯正装置のように、ブランケットなどでお口の粘膜がトラブルを起こす心配もありません。
Q・インビザラインでの矯正を考えていますが、虫歯があると言われています。虫歯を治してから行なった方がいいでしょうか?
A・どちらでもかまいません。当院では、虫歯治療も取り扱っている総合歯科ですので、矯正前の診断で虫歯が見つかった場合でも治療を行えます。
Q・現在、遠方に住んでいて、頻繁に通えないのですが、どのくらいのペースで通院が必要でしょうか?土日でも大丈夫でしょうか?
A・インビザラインの治療が始まると、2ヶ月に1度のペースで通院して頂きます。
診療は、平日は夜の●時まで、土日は夕方●時まで診療しておりますので、ご都合に合わせてご来院下さい。
Q・ずっと付けていなくちゃならないのですか?
A・インビザラインは、1日20時間の装着が推奨されています。歯磨きと飲食の時以外は、就寝時も含めて装着したままにして下さい。長時間装着を継続することで、より高い治療効果が見込めます。